おりんや湯釜、その他の仏具、茶道具、花瓶、鉄瓶、鍋、フライパン、灰皿、生活品だけでなく、水道の蛇口、マンホール等。実は古代からいたるところで使われている鋳物の技術。
鋳物とは、加熱して溶かした金属を型に流し込み、冷えて固まった後、型から取り出して作った金属製品のことです。人類が金属の使用を始めた当初から使われていた技法と言われ、古代では自然界に純粋な形で産出する金及び精錬が容易な銀、銅、青銅、黄銅等の銅合金が主に用いられてきました。現代では、銅、鉄、錫、真鍮などが使われ、用途によって製造法や仕上げ技法が使い分けられています。
華やかな類の技術とはお世辞にも言い難いですが、それも技術をどう生かすかという話です。華美な装飾が施された完成品が多く流通していた経緯はあるものの、素材本来の美しさを際立たせるという点では現代では最も有効な手段であると言えるかもしれません。
使い手の創造性でどうにでも膨らむ鋳物の技術。伝統技術もかつては現代技術であったと言われますが、鋳物はそれを非常に分かりやすく体現しているように感じます。